(その②)【日本製の超旧型客車が2020年の今も現役!】タイ南部 への鉄道旅 快速夜行からのタイ南部封じ込め運用の旧型客車旅
↓ (その①)からの続きです。
それでは次に乗る446列車、ハジャイ6:40始発、チュンポン行き。
460kmを約10時間をかけて走破します。
長距離を行く旧型客車の鈍行列車。さあ乗り込みましょう!
日本で例えるなら、1980(昭和55)年頃の
●日本国鉄の山陰本線 大阪始発 浜田行き 旧型客レの鈍行ダイヤ500.8㎞運行 や
●西鹿児島始発門司港行き(日豊本線 宮崎・大分経由)476.9km運行の鈍行とか…に似ています。
私にとっては、1980年は、まだ小学生時代で行動が自由に出来ず、後から「鉄道ジャーナル」さんの誌面上で、こんな列車があったんだ!と驚き、試乗したいと思っていました。
こんな何十年もの前からの少年時代の希望をタイ南部で実現できるのは嬉しい!
↓ 優しい雰囲気の緑色の旧塗色。日本製の旧型客車らしく幅広窓の側窓…。
見事に全車両共に座席シートはクッションの全くない木製のシートの超旧型車両。
全て1950年代の日本製なんです!
列車編成は・・・
●機関車はアメリカ製 タイ国鉄でも最古参のGE型 1966年製
●続く客車は・・・
B.F.V.66 荷物車 1950年代の日本製
B.T.C.225 1953年 近畿車輛or日本車輛or川崎車輛 製造
B.T.C.226 1953年 近畿車輛or日本車輛or川崎車輛 製造
B.T.C.277 1954年 宇都宮車輌 製造
B.T.C.192 1953年 近畿車輛or日本車輛or川崎車輛 製造
B.T.C.255 1954年 宇都宮車輌 製造
日本で製造され、今もタイ南部で頑張る旧型客車たち、お疲れ様です!
シートは確かに固いのですが、私は、立って右や左、後部やデッキに移動したりするので、車内が空いていれば、気にならず、また暑い気候の中を走行するので、特に起毛のモケットシートではなくても良いように思います。
またタイ国鉄さんの客車のシートは、ビニールレザー張りの車両でも、クッションは非常に薄いのが一般的で、日本の12系客車や急行型車両と比較すると、とてもハードな座り心地であることは事実です。
↓ 床も木製、隙間から床下が見えたり…驚。日本で言うと、半鋼製客車という分類かな…。
↓ 網棚も古風ですね。
↓ 北海道の二重窓のような窓枠ですが、1つは日除けの鎧戸用です。
デッキは旧型客車らしく開放的な手動ドア。暑いので全開のままで走ります。
↑ ドアも、もちろん木製
↓ これまで多くのタイの皆さんを乗せてきたのでしょうね。お疲れ様です!
↓ お手洗いの窓は、懐かしい白色の磨り(すり)ガラス。これも日本国鉄の旧型客車と同じですね!
↓ どこかで見たような懐かしさ・・・
↓ 後部デッキも開放的。
思えば遠くへ来たもんだ~…♪
↓ 牽引する機関車はアメリカ製 タイ国鉄でも最古参のGE型 1966年製
アメリカGE社製
連結器の真ん中には・・・
あら!
最古参機関車ですが、機関士さんたちに可愛がられているんでしょうね…。
↓ サボ ん?タイ国鉄さん、これじゃ行先読めないですよ!笑。
↓ 他の車両はきちんと読めました!ローマ字表記がありがたい。
お爺さん機関車に連れられて、ノンビリとタイ南部を行く鈍行列車。
私たち乗り鉄の大先輩 故宮脇俊三氏の名著「椰子が笑う 汽車は行く」の舞台。
宮脇先生がご覧になったであろう景色を見ながらの鈍行鉄旅!感無量です。
感無量でも腹は減ります。↓ 始発のハジャイ駅で買い求めた鶏揚げともち米。
私はいつもタイ国鉄さんの公式HPから列車の詳細時刻表を印刷して持参しています。
赤ペンの文字は、列車のすれ違い状況をメモした運転情報…。
↓ 朝から「ギャートルズ」のように肉を頂きます。
↓ タイの鉄道は地元の方が乗り込んで来られる車販が魅力。
何ですか?これは?初めて見ますね!初挑戦しましょう!
粽(チマキ)の一種ですね。もち米を焼いてあります。オコゲが美味しい!
コップンカップ!ありがとう。
↓ 車販の商品の中で驚いたのが、これ「さつま揚げ」。タイにもあるんですね~。生姜がたっぷり入っていて美味しい!私は鹿児島生まれなので、さつま揚げ(つけあげ)があるなら、芋焼酎を飲みたくなります…。食物を揚げる文化は南方で食物保存のために広まったそうです。
●タイ国鉄南本線Bang Klam駅(首都バンコクから南へ930㎞離れた小駅)
優等列車(高速鉄道の無いタイでは多くは夜行列車)が行き交う本線を運行する鈍行列車らしく、行き違い待ちでしばらく停車しながらの、のんびりとした道行き…。この雰囲気が私(鉄オッサン)は好きなんです。
通過列車が受け取るタブレットの準備が完了しました。
↓ 新型寝台特急が進入してきました。助手さんはタブレットを投げる準備済み。
迎える駅員さんは挙手の礼。
↓ タブレット収受器もあるのですが、今回は駅員さんに直接投げ渡し。ナイスキャッチ!
↓ 一連の流れを動画でご笑覧下さい。動画の内容は・・・
私の乗る長距離 旧型客レ鈍行 445レ ハジャイ640始発 チュンポン行き(約460km運行)が通過待ちで停車。
●駅長犬が3匹も待つホームから行商のお客さんたちが乗り込む。
●駅舎内では閉塞機器の取り扱いの鐘の音が微かに聞こえます。
●通過タブレットを授受器にセット完了。駅長犬たちもホームで待機。
●駅員氏は特急進入、ギリギリ寸前まで、こちらの鈍行列車の車掌氏と談笑。特急進入時に慌ててタブレット収受器のある定位置へ走る。
●タイ国鉄の誇る新型寝台特急進入!タブレットは駅員氏に直接投げる!
●駅構内の花々に水やりを終えた駅員氏が戻ってくる。駅長犬にも挨拶…。
(多分、夜勤明けの駅員氏では?お疲れ様です!)
●こちらの鈍行列車にタブレットが渡され、出発進行!
↓ 鈍行列車ですから、各駅に丁寧に停車していきます。ホームに全車両入らない駅も多くあります。地元の方は慣れていて、中央部の車両に乗るのでしょう。
↓ 木陰の小駅からもお客さんが…お待たせしました!
↑ 雰囲気の良い小駅。ホームはありません…。駅名標のみ。簡易乗降場?
↓ タイの地方部の鉄道は全て非自動制御。駅からロープで動かす腕木式信号機が現役です。
↓ 腕木の動く様子は動画でご笑覧下さい。
↓ はい、タブレット交換!
↓ お客さんが見守る中、ハイ!タブレット!
●各停447レ スラタニ―620始発 スンガイコーロック行きと交換です。ハイ!タブレット!交換する列車たちも、ほとんどが日本製の旧型客車たち!
↓ 今度は夜行快速と交換です!
●バンコクを前夜1535始発 快速夜行169レ ヤラー行き(1055㎞走破)
※徘徊傾向のご老人が快速夜行列車の進入直前に構内を横断したため、
激しい警笛を鳴らせ進入してきます。音量ご注意下さい!
↓ 奇岩の見える駅「パッタルン」駅に停車中。SL時代の給水塔と…。
↓ 途中の主要駅「トゥソン」手前で小さな峠があります。お爺ちゃん機関車。頑張って!
↓ 平坦な地形のタイの鉄道では珍しいトンネル。
↓ 峠を越えてSAI YAI駅へ(バンコクから南へ778㎞地点)
駅務室の床下からはポイント・腕木信号機を操作するワイヤーが張り巡らされているので、
コンクリートの蓋(フタ)が…。
↓ 駅舎の右手には駅員さんの手作りでトンネルとSLのモニュメントが…。
駅裏の倉庫の入り口には予備のタブレットキャリアが見えます…。
ここでは、長時間停車し、2つの優等列車を先に通します。連続して交換する列車は…
①急行(夜行)85レ バンコク 前夜1930始発⇒ナコンシータマラート行き
※途中1両だけ窓の高さが高い車両が混じりますが、これが日本から移籍した元12系客車改造の2等エアコン指定席車(日本ではグリーン指定席に該当)です。
②特急(夜行)41(D)バンコク 前夜2250始発⇒ヤラー行き
昼行用の特急気動車(韓国製)による座席夜行列車。
↓ 通過列車のためのタブレットを準備して…。
通過交換の様子は動画で、ご笑覧下さい。 ↓
駅舎の中からは、閉塞機器取扱いの鐘の音が聞こえます…。
↓ 駅舎の二階は宿直室なのでしょう。お布団が干してある…。
駅員の皆さん、お仕事、お疲れ様です!
↓ 沿線の主要駅「トゥソン分岐駅」に到着しました。この駅には機関区があり、運転士さんも交代です。
この「トゥソン分岐駅」からは西南方面の海岸へ「カンタン支線」が分岐しています。カンタン支線には2019年に試乗してまいりました。 ↓その時の記録です。
↓ 荷物車には駅員さん集まり、荷物の収受が… 昭和の時代の国鉄ローカル鈍行と同じ雰囲気…。
反対側のホームでは各車に給水作業が…。
このパーカーを着た係員さん、昨年、私がトゥソンを往訪した際、
↓作業中に列車が強引に出発してしまった時の係員さんと思います。
↓ 2019年、同じ「トゥソン分岐駅」で給水作業が完了しないうちに列車が強引に出発してしまった!動画。
↑ あの時は大変でしたね。お疲れ様です。
さて、お昼ご飯に駅弁を購入。卵焼き入りグリーンカレー弁当です。
本場らしく、辛かったけど、美味しいかったですよ!
↓ 美味しいタイ米のカレーの駅弁当を頂きながら、田園風景の中をのんびり進みます。
これぞ窓の開く旧型鈍行鉄旅の魅力!と思います。
↓ 途中駅の情景、駅ホームの出入口の表示灯はこれ、鉄道のポイント用の
再利用ですね。上手く造られています。
↓ 周辺は美しいゴムの木の植林が拡がります。
↓ 暑い午後の一時を木陰でお休み…
↓ 地元の車内販売の方の方から午後の「おやつ」を購入。中身は何?
中身はタイ風「焼きそば」でした!これで70円ぐらい…。暑い中で辛い食べ物は美味しい!
↓ 冷たいビールを飲みたいところですが、列車内の飲酒は禁止されているので、ファンタで我慢。日本のファンタより着色が濃いような…。ファンタなんて数十年ぶりに飲みました。
ホームにヤシの木のある無人駅。乗降中は車掌氏が赤い旗を出しています。
↓ (上の写真とは別の駅ですが…、)しっかり実が生っていますね…。
↓ 少しずつ影が大きくなり、夕刻を迎えます…。いつも通り、絶好調のタイ国鉄さん。約40分の遅延で運行中です。
椰子が笑う・・・。約30分遅延で、17時過ぎに終着「チュンポン」に到着。
↓ 到着後、すぐに荷物車からは荷物が下ろされます。
ホテルのお迎えの車が待っていたので、ゆっくり撮影はできませんでした…。
鉄旅のページ =【完】= です。
全てをまとめた動画↓
↓ 私はこの後、安価ながらも超快適なローカルリゾート「ナナビーチ」へ向かいました。
その記録はコチラで紹介しています。
タイや台湾の鉄道のブログを他にも紹介しています。↓↓ どうぞご笑覧下さい。
↓ タイの夜行列車の記録
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